成功率100%の資金調達
当事務所では、さまざまなお客様から融資の相談がありました。
正式に数えたことはありませんが、100件以上はあると思います。たいてい難しい案件です。税金が滞納気味であったり、創業間もなくあまり実績がなかったり、これから創業される場合だったり、一度銀行に断られたことがあったお客様だったり。
しかし、企業・ネットショップにとって資金調達ができるかできないかは生命線です。
私もなんとか成功させなければと必死でした。
そこで、これまでの経験や元銀行マンに顧問になっていただいたり、資金調達専門のコンサル会社と提携させていただいたり、ある特定の銀行や担当者と長くお付き合いすることで、たくさんのノウハウを得ることができました。簡単に言えば、やってはいけないこと、やった方がいいことをできるだけ準備することです。
ときどき、こんな質問を受けることがあります。
知人の経営者から「自分で簡単に借りられたよ」と聞いたので、そこまでやる必要がありますか?
私はこう答えます。「よほど業績が良かったか、たまたまでしょう」。
なぜ融資が受けられたのか?またはなぜ融資を受けられなかったのか?その理由が大切なのです。
私のできることは、その理由をたくさん集めて融資の成功率を上げることです。
当然、私が審査をするわけではありませんので、100%保証することはできません。
ただ、結果として100%成功しているだけなのです。
ネットショップ成功の鍵は資金調達
ネットショップ成功の鍵は資金調達にあると言って過言ではありません。
私のクライアントも平均して年に1~2回は銀行のお世話になっています。開業時はもちろんのこと、事業がうまくいけばいくほど資金調達が必要になります。
その理由を以下に説明していきます。
少し長い文章ですが、とても大切な事なのでじっくり読み進めてください。
ネットショップは、どんな時に資金調達が必要になるのか?
1. 開業時
まずは開業時ですね。楽天などのネットショップモールの出店費用や自社サイトの制作費用、最初の顧客リストの購入、メルマガ費用、PPC広告費用など多額になる場合には創業融資を受ける必要があります。
2. 仕入れ時
ネットショップは商品を仕入れてから販売する商売ですから、仕入れのための資金が必要になります。
注意しなければならないことは、仕入れてから販売して入金されるまで時間がかかるということです。商品を販売したとき、消費者は入金方法を選択できます。通常、振込、コンビニ決済、郵便振替、クレジット、代引きです。クレジットの場合平均60日~90日資金化に時間がかかります。そこで、余裕をもって90日分の仕入資金を準備する必要があります。
【例】平均月の売上高が100万円、原価率50%の場合の90日分の仕入資金はいくらか?
【答え】100万円×50%×90日÷60日=75万円
3. 集客時
開業後、さらに売り上げを増やすためにいろいろと手を打ちます。顧客リストの追加購入、メルマガ費用、PPC広告、自社サイトの手直し、キャンペーン費用、集客商品のコストなど。
4. 売上が伸びてきたとき
集客や購入率が増えてくれば当然売上が伸びてきます。当事務所の平均でも売上前年比で150%くらいです。なかには前年比300%というクライアントもいます。そうなると、仕入れも増えてきます。以下の例のように増えた売上の90日分の仕入資金が追加で必要になります。
【例】前期の売上が1000万円、今期の売上が1500万円、原価率50%、90日分の仕入資金は?
【答え】(1500万円―1000万円)×50%×90日÷365日=61万円
5. 事業拡大時
売上が順調に増えた後は、事務所が手狭になり事務所を移転したり、スタッフを増員したりで、多額の資金が必要になります。
資金調達の難しさ
資金調達を進める際、貸し手側つまり銀行側の事情を考慮しなければなりません。銀行にはそれぞれマニュアルがあって、こういう企業には貸さない、貸したくないというものがあります。そういうチェック項目が銀行にはたくさんあるのです。
たとえ業績が良い企業であっても、たった一つチェック項目に引っかかるだけで融資を受けられないこともあります。それは、経営者から見れば気にしていないことかもしれませんが、銀行は決算書、試算表、経営者の資質を見てきます。決算書のある部分が、融資をできない理由になることがたくさんあります。
あなたの決算書は大丈夫ですか?
資金調達できないと、どうなるのか?
資金が止まれば、たとえ業績が良くてもすべて止まってしまいます。仕入ができなくなります。仕入ができなければお客様に商品をお届けできなくなります。なるべくお客様に待たせることなく商品を提供することは顧客サービスではないでしょうか?
特に、売れ筋商品が在庫切れの状態では、お客様は競合他社に流れてしまいます。大きな機会損失を発生させることになります。一度、離れたお客様は2度と戻ってこないでしょう。顧客生涯価値(お客様が一生くださる利益)を考えれば取り返しのつかない損失だと思います。