税務調査が何度も何度も来る原因とは?

経営者の交流会などに出ると、「うちはしょっちゅう税務調査がくるよ」と聞くことがあります。それは、必ず問題があるからしょっちゅう来るのです。

原因は3つあります。1つは決算書に問題がある。2つ目はその経営者や会社が税務署のブラックリストにあがっている。3つ目は顧問税理士がブラックリストにあがっているからです。過去に悪質な脱税や脱税指南などをしているとブラックリストにあがります。これは問題外です。

しかし、きれいな(税務上問題のないと思われる)決算書を作成することで、税務調査は回避できます。きれいな決算書の作成ポイントは以降説明していきます。

そもそも、税務調査とは?

税務調査は国税局又は税務署の所掌の部門で、税歴表および申告書を検討して、統括官(統括国税調査官)が調査担当者(上席国税調査官、国税調査官、事務官。国税局では主査)に指令します。

調査の1~2週間前には、顧問税理士および調査する会社の社長に電話連絡をしています。何年に一回ぐらい調査に入るかは決まってはいませんが、会社の規模、業績および過去の調査事績等により異なってきます。零細な会社の中間クラスは3~5年おきにはいります。

調査に入る前に、調査担当者は「準備調査」といって、申告書の損益計算書および貸借対照表の科目について前年対比をします。前年に比較して異常に増加又は減少した科目はないか調べます。又、売上総利益率(荒利)が変動していないかを見て、調べる項目を絞り込みます。

調査担当者は、会社に2~3日間に渡り、午前10時頃から午後4時過ぎまでくるのが一般的です。初日の午前中は会社の概況を聞き、会社案内、組織図、役員および株主名簿等を求めて来ます。又、世間話をしながら、社長さんの家族構成、出身地、趣味等を聞きます。この世間話等が重要なキーポイントで、ここの社長は何にお金をつぎ込んでいるのかを探るわけです。

税務署の調査マニュアルにも、初日の概況に重点を置くように書いてあります。一見親しみやすいように帳簿等を見ずに、社長さんの家族、田舎、趣味等を話していると、安心してしまい、ついいらないことまで話して墓穴を掘るようになります。ベテランの調査官ほど、ここの概況を聞くのがうまく、新米ほど帳簿等を見ます。

そして、初日の午後からいよいよ帳簿等を要求して来て、調査を始めます。調査官は午後4時頃には調査を終わり税務署に戻り、統括官に復命をします。これは、今日調査した事項を説明し、指示を仰ぐものです。明日はここを調べろとか、何処何処にあれを確認しろとかの指示をします。

それで、次の日は統括官に言われたことを確認をする調査をします。午後には、今回の調査の総括として、問題点を指摘して宿題を出したり、あるいは調査官が自ら反面調査(取引相手に行って調べること)をします。

順調にいって、調査の日から1~2週間後に、今回の調査のまとめで話し合いたいので、税務署に来て欲しいとの連絡があります。税務署に、社長と税理士が出向き、担当統括官と調査官とで問題点について話し合います。

税務署の指摘事項について、社長および税理士が納得すれば、それについて修正申告をして納税すれば調査は終わります。もし、納得できなければ、税務署が「更正決定」をして来ますが、税務署に「異議申立て」、それでもだめなら国税不服審判所に「審査請求」ができます。その後は裁判所で争うことになります。

ページトップへ戻る

メールアドレス

会社設立したい方 税理士変更したい方